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« [キャラ崩壊有]ソニックSSS | オリジナルSSS »

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ソニックSSS



それなりにキャラ崩壊してないかもと思えるものを詰めました。


〇ソニックとテイルス / ほのぼの
◯シャドウとマリア / シリアス
◯新ソニ/シルバー編ネタバレ注意
◯ソニックとナックルズ
◯ナックルズとソニック / シリアス
◯ソニックとシャドウ / 日常・シリアス風味 / 前触れなくルームシェアしてます
〇ソニックとナックルズ / シリアスほのぼの
〇ソニックとシャドウ / ダークシリアス / ソニック病み注意
〇ソニックとメタソニ / シリアス・ダークエンド



〇ソニックとテイルス / ほのぼの



「なあ、平和が全世界に与えられるなんて、有り得ると思うか」
「どうしたの?」
「何と、なくな」
「ソニックなら出来るよ」
「出来ると思うか?」
「どうして?」
「オレだけじゃ無理に決まってる」
「それじゃあ、ボクも手伝うよ」
「そんなに簡単じゃないんだぜ」
「ナックルズもきっと手を貸してくれるよ」
「オレたち力を合わせてもな」
「出来るよ!
 ボクら三人が力を合わせれば、出来ない事なんかないじゃないか!」


 思わず、笑った。

「そうだな」



― 純粋な笑顔




◯シャドウとマリア / シリアス


全てが、白く解けてゆく。
視界に眩い閃光が散る。
一つ、透が零れた。

―――マリア、これでいいんだろう?

二つ、明が零れ上がった。

そして、白も光も分からなくなった時、
三つ、透明なものが、触れた。
ような、気がした。

「ありがとう、さようなら」



―RE:SET



*



◯新ソニ/シルバー編ネタバレ注意



初めて、この世界の夜明けを見た。
夕焼けのように紅明で、
けれど正午のように眩かった。
初めて、この世界の朝日を見た。
崩れ去ったコンクリートジャングル、
鉄に固められた獣道、
けれど、全て皆にとっては光明の希望だった。

みんなは笑っていた。
世界の再建に向けて、強い絆が生まれていた。
俺も、笑った。

これでよかったんだ。
これでよかったんだよ。
俺は、これで、―――よかったのか。



初めて、この世界で朝を迎えた。
橙に染まった、綺麗な、きれいな。

犠牲によって守られた、きれいな、きれいな、



俺は、泣いていた。




◯ソニックとナックルズ



「ソニック」
「ん?」
「ソニック」
「どうした」
「ソニック」
「なんだよ」


「ソニック」
「・・・ナッコウズ」

貫くように、互いに見つめる。

返事は要らない。
それこそが、返事。

背中を一押し。

答えも要らない。
それこそが、答え。



―無言の返事



◯ ナックルズとソニック / シリアス



これを言うと、全てが壊れるような気がして。
これを言ってしまえば、オレが積み上げて来た全てが、崩れ去るような気がして。
けれど、今だけは。

「・・・辛い」


「ようやく言ってくれたな」

返ってきたのは、大きな心。

許されないとは知っているけれど。
一人だけでも、彼だけでも、許してくれるなら、その手を借りたい、
そして、そんなことを思う事が、甘えだということも、分かっているけれど。

「大丈夫さ。
 少しぐらい弱音を吐いたって、
 それから立ち上がる力を、オマエは持ってるって、知ってる。
 だから、今だけは」

今だけは。


葉の色が、背中を照らしている。


― 荷を分け合う



◯ソニックとシャドウ / 日常・シリアス風味 / 前触れなくルームシェアしてます
ルームシェア萌えるなあと思いつつw



 ソニックが、帰って来るなりソファに転がって、足をばたつかせた。

「ねみぃー」
「寝ればいいだろう」
「だってそろそろメシだろ?」

 そう返されて、僕は壁掛け時計に目をやった。
6時半を過ぎている。
今日は僕が当番だから、そろそろ晩飯の支度をしなければならない、
とはいえ、支度は至極簡易なのでそれほど時間は掛からないだろう。
僕は短く頷き言葉を返すと、ソニックは間延びした鳴き声を出して、
ぱたりと足の運動を止めた。
僕がその様子を横目で見つつ立ち上がり、台所へ向かうと、
「ねみぃ…」と呟いてから、「メシも食わなきゃだし、寝るのもったいねぇ」とソニックは言った。
「それなら寝なければいいだろう」冷蔵庫から食材を取り出しながら言うと、
ソニックは再び足をばたつかせて、ソファを蹴る音を出す。

「夢の中で走ればいい」僕はニンジンを包丁で切りながら、面倒臭そうに返した。
「それならいつもやってるぜ!」身をぱっと起こして、
ソニックが何故か嬉しそうに言う。「走る事をオレが止めると思うか?」
「いいや」僕は面倒臭そうに返した。


「・・・でも、」

 ソニックが呟いた。

「最近、夢を見るんだ。立ち止まって、ただ空ばかり見上げてるんだ。
 それを、夢の中の『オレ』は変だと思わない。
 起きてから、何やってたんだろ、って思うんだ。・・・変な夢だよな」

 ソニックが呟いた。独り言のようであった。


「君は休みたいと思っているんじゃないのか」
「いや、別に・・・」
「夢は無意識の意志や気持ちを反映するというが」

「・・・そうなんだろうか」


 台所から覗き見ると、ソニックは天井を見上げていた。




「寝たらいい」少しの沈黙を割って、僕は返した。「僕が起こした時に君が起きるならな」
「オマエの起こし方は乱暴だからなァ」

 ソニックが冷やかすように、お調子声を出す。


「おやすみ」



 返さずに、僕は半分ぐらい水を入れた鍋に火をかけた。



― アットホームドリーム




〇ソニックとナックルズ / シリアスほのぼの



「なんだ、シケた面して」

そう言って彼は笑う。

シケた面は生まれつきだ、と心の中で呟く。

過ごす景色が狭まって色褪せていく感覚が無いと言えば、恐らく嘘だろう。
少なからず、そう感じている無意識の部分はある。
きっと、これは生きていく内に誰にでも、何度でもある、潮の満ち引きのようなものなのだ。
しかし、だ。

「テメェには言われたくねェな」

「はあ?」と返す彼の顔には、一つの表情。
それを、俺は見たことがある。
以前、一度鏡の中の自分が、そんな顔をしていた。
きっと、彼もそうだ。
俺のこの顔をシケた面と表現出来たのは、鏡のもう一人の自分がそんな顔をしていたのを
見たことがあったからなのだろう。
そして、それを今唐突に―無意識に―自分でない他の人に言うという事は、
その経験をしたのは、恐らく最近。


「お前だって、シケた面してんだろ」


え、と彼の表情が揺れる。
張り付いた笑顔。
笑っていても、俺には通用しやしない。
それはきっと、彼にも分かっていた。

ははは、と言って苦笑い。

「敵わないな、ナッコウズには」

「バカヤロウ」


彼の頭を、軽く小突いてやった。



― お互いさま



〇ソニックとシャドウ / ダークシリアス / ソニック病み注意



 きらきらと輝いていた星は見えなかった。漆を照らす月もなかった。
 それらは一つ残らず深藍に塗り潰されて、確かに何処かに存在するはずなのに、
その存在は最初から無かったみたいに消えていた。
いつもならある微かなグラデーションも、今日は元気なく姿を眩ませている。
全ての色が画一化されているようだった。
 その色はやがて淡い赤紫に姿を変える。
日が上り、藍は消える。
しかし、その疲れた藍が澄明な青空になると、僕には思えなかったのだった。


「なあ、シャドウ?」


 条件は望み。仮定は願い。
全てのIFは「I wish」と叫ぶ哀願なのだと、僕は彼の目を見て思った。
しかし、それは「I hope」と同一ではない。
「I hope」と叫ぶ人は、最初からIFを誰かに叫ぶことなどしないのだ。

そう、そのIFたちは、決して叶うことのない。
もし叶うなら、彼はそんな風に笑わなかったことだろう。



「…もし、オレが死んだら、」


 そのIFに、僕は何も答えられなかった。


― I wish I might




〇 ソニックとメタソニ / シリアス・ダークエンド



 浅く、息をしていた。
 ぐったりとそこに身を預けて、彼はまるで使い捨てられた人形みたいに、座らされるように座っていた。
だらりと地に垂らした手が、マリオネットの糸に引かれて動き出す。
オレの頬を滑らせて、そのまま落ちると思われたその力ない手は、
緩やかに帰り、オレの目尻をそっとなぞった。

「……ソニ……、ク…?」

 小さく、音が開かれる。
彼の、重く視界を狭められている瞳がちらと震えた。
どうやら、目が、…見えていないらしかった。

「…ソ、ニック…」

 形を捉えるように、一、、三、四、五本指で、オレの頬を伝う。
僅かに覗く瞳が、赤く淡く灯っていた。
息は、まだ浅い。

「ソニッ、ク…、……何故、答、えない……」

 それは、電子音。
 その体に脈打つそれは、人工の心臓。
 その臓に巡るそれは、人工の生命。

 肌は白く、そこに温度はない。ぬくもりもない。血も循環しないし、彼を構成するのは数字だけ。
しかし、物言う人形は人形ではない。彼は人形などではなく、一人の生き物なのだ。

 一人の、生き物なのだ……。



「どうして……、どうして……」


 同情なんかじゃない。
 いや、否、これは同情なのだろう、しかし、同情だけでは片付けられない何かが、オレの中にはあった。
 どうして、どうして。
 生物として産まれなかった、ただそれだけで、どうして彼がこんなに傷つかなければならないのだろう、と。

 それでも、オレに彼は救えない。


 浅く、息をしていた。
…これは、オレの息だった。
彼には元より「息をする」という概念が無い。
吸い込み、吐き出す、ほぼ無意識に行われるこの行動がどれだけ貴重で尊いものなのか、オレは知らなかった。

 この喉を冷やす細い糸を、彼に渡す事が出来たら、オレのこのぐるぐる重く回る気持ちも、幾分か楽になるだろうか?


「……メ、」

 オレに似せられたロボット。
しかし、彼はオレとは全くの別人で、
こんなにそっくりなのに、オレは彼に触れる事も叶わない。
救う事も、叶わない……。


 彼が、オレの動く口元に触れた。


「……ソニッ、ク」


 彼もオレの名前を、二度としっかりと言えなかった。



― 互いに触れられぬ存在


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ソニックSSS